モルドバ共和国に村田正夫氏を派遣しました!

2017年10月10日

2017年9月11日~18日の期間、大阪成蹊大学教授の村田正夫氏をモルドバ共和国に派遣しました。

村田氏より報告が入りました。

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海外指導(モルドバ共和国)報告

大阪成蹊大学
村田 正夫

 9月11日から18日までの1週間、東欧のモルドバ共和国を訪問し、現地指導者との研修会、Junior、Cadet部門を中心とした選手の指導など柔道の発展・普及活動の支援を実施した。 また、今回の活動では前回同国を訪れ、1ヶ月間にわたり指導を行った了徳寺学園の石川裕紀君(東海大学OB)の参加協力もあり心強い限りであった。
 ここで少し、日本では馴染みが薄いモルドバ共和国について述べてみたい。モルドバ共和国は、東ヨーロッパに位置し、西はルーマニア、他の三方面はウクライナに囲まれ、九州とほぼ同じ面積を有する共和制国家である。元は旧ソビエト連邦の一部であったが、1991年8月ソビエト崩壊後、モルドバとして独立した。首都はキシナウである。
 またこの国は、知られざるワイン大国であり、その製造は紀元前3000年ころから行なわれていたとされる。モルドバのワインはヨーロッパの王室に献上するほどのハイクオリティーとして有名であるが、そのほとんどがソビエト国内で消費されていたこともあり、日本へは輸出されていなかったようである。しかし、現在では日本においてもモルドバワインを購入できるようになっている。


  
モルドバワイン国営工場「ミレスチ・ミーチ社」
 
 モルドバ共和国は現在、市場経済へ移行中であり、ヨーロッパ諸国において決して恵まれている国とはいえない。しかし、その中で彼らひとりひとりが柔道と真剣に向き合う姿勢には心が熱くなる。今年の世界カデ柔道選手権大会(チリ)において優勝者を排出したことは、小国にあって夢を形として現したのだと実感した。
 さて、現地での指導では午前・午後の2回に分け、組み手、崩しの理合い、足技の習得方法、様々なシチュエーション(situation)を設定し、部分練習などの紹介を行うとともに、乱取り練習も積極的に実施した。特にジョージアの選手が得意とするクロスグリップから背中を握る組み手への対処方法や、オリジナルの足技の打ち込みは新鮮に感じたようで、活発な意見交換ができた。


 
 また、練習後の指導者向けのセミナーでは、2012年のロンドン五輪で惨敗した日本男子柔道が、井上康生監督を中心にどのようにして2016年のリオ五輪で再び輝きを取り戻したのか、その軌跡について紹介した。参加者は皆、今のモルドバ共和国の現状と未来を日本柔道に重ね合わせていたのであろうか熱い意見や質問も飛び出し、有意義なやり取りができた。
 一方、柔道指導以外の時間では日本大使館を訪問し、好井大使へ柔道を通した国際友好・文化交流についてモルドバ共和国での活動報告と共に本法人より柔道着100着の贈呈を行った。
1週間という短期間であったが、日本・モルドバ共和国両国における国際友好、柔道の普及・発展はさらに前進したと考えたい。最後に2020年東京オリンピックで彼らの活躍を夢見ながら本報告としたい。