東ティモールにリサイクル柔道衣が到着!

2017年05月29日

2016年11月、JICA「世界の笑顔のために」プロジェクトの支援の下、リサイクル柔道衣4着を送付しました。その柔道衣が2017年3月に東ティモールの首都ディリに到着しました。JICA青年海外協力隊コミュニティー開発隊員として現地で活動を行っている三浦航氏を通し、東ティモール柔道協会に贈呈されました。

 

お礼状と贈呈式、現地柔道事情などの報告が届きました。紹介いたします。

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(文章のみ) 

柔道教育ソリダリティーの皆さん、はじめまして。私は東ティモールの首都ディリで青年海外協力隊のボランティアをしている三浦航と申します。日ごろは東ティモール政府の保健省で、保健活動の広報・PR活動を手伝っています。
この度は、東ティモールの東ティモール柔道協会に柔道着を寄付していただき、誠にありがとうございます。 2月上旬に、日本から東ティモールの首都ディリに柔道着が届きました。東ティモールでは柔道着の入手が難しく、柔道協会会長をはじめとする関係者一同、非常に喜んでいます。お礼ととともに、東ティモールと寄贈先である東ティモール柔道教会についてご紹介したいと思います。
東ティモール国の紹介
東ティモールはティモール島のちようど半分を占めて居ます。東ティモールの面積は約1万4,900平方キロメートル、人口は約121万人。広さや人口の大きさも、岩手県と同じくらいと、イメージしてもらうといいと思います(岩手県は面積1万5,000平方キロメートル、人口は126万人)。 気候は熱帯で雨季と乾季に分かれます。5月 くらいまでは雨季で、夕方ともなると雨が降る ことが多いです。首都ディリは、海に面した風光明娠な場所です。かつてのポルトガル植民地時代の面影を残す鮮やかな白い壁の建物も見受けられます。首都ディリでも海で少し泳げば、サンゴ群が見られるほど、自然に恵まれている場所です(最近はゴミの問題などもありますが)。
日本から遠く離れていますが、時差は日本と一緒です。日本から東ティモールまでは、飛行機で約10〜11時間ほど(乗り換え地での待ち時間を含めると、さらに時間がかかります)。様々なルートがありますが、一般的なのは、日本からインドネシアのバリ島まで飛び、そこから飛行機を乗り換えディリへ移動するルートです。
東ティモールは1975年にポルトガルからの独立を果たして直後、インドネシアが侵略します。インドネシアの占領への反発から独立運動がずっと続き、1999年の住民投票を得て、2002年に独立を果たします。 ただその道も平坦ではなく、独立へ向かう過程では、インドネシア派民兵による暴力で、大混乱に陥り、国連が介入する事態になりました。国連PKOのもとで日本の自衛隊や警察官が派遣されたのは、ご記憶の方もいらっしやるかもしれません。
独立した後も大きな混乱が幾度かありましたが、最近は政治の混乱も落ち着いています。治安がかなり安定しており、学校教育や保健分野などで数多くのボランティアが派遣されるようになっています。
日本の文化へのあこがれは強く。バイク大国で、乗られているのはヤマハ、ホンダ、スズキと日本製スクーターやバイクがほとんどです。右ハンドルということもあり、街中には日本の中古車がたくさん走っています(よく見るとクロネコヤマトの配送車や、日本のお肉屋さんの冷凍車なども走っています)。またインドネシアのTVなどを通じて、ドラえもんやナルトなど日本のアニメも人気があります(私の家の大家さんは、犬の名前にドラえもんとつけています)。
ディリは海に面しており、多くの船が行きかったり、人々が海で遊んでいます。
寄贈先の概要 東ティモール柔道協会
東ティモール柔道協会は、東ティモールでの柔道の普及と教育のために2016年に設立されたばかりの団体で す。会長のジョゼさんは、首都ディリでホテルを営んでいます(そのため道場もホテル敷地内にあります)。 ジョゼさんは、東ティモール生まれのポルトガル人、ポルトガル系ティモール人です。高校を卒業後、ポルトガルへ留学し、そこで柔道と出会いました。しかし、留学中にインドネシアによるティモール占領があり、長い間、祖国に帰れない状態になってしまいました。海外で生きていくしかない状態が続きましたが、独立後にようやくティモールに戻ることができたそうです。長年ビジネスを営んできた資金でホテルを開業し、その傍ら大好きだった柔道を教えるための教室を開いたそうです。長年、警備会社を経営してきたためか、その柔道はものすごく実践的です。
もう1人の先生は、レオポルドさん。アフリカのアンゴラ生まれのポルトガル人です。彼はアンゴラで柔道に出会い、ポルトガルへ留学して日本人から柔道を学んだ方です。柔道を勉強するために、フランス語や英語の文献にも目を通して、勉強してきたそうです。嘉納治五郎の教えを我々に教えてくれます。柔術や合気道も黒帯で武道を追及している人です。礼儀を重んじ、たたずまいもサムライという感じです。
柔道教室は、子供の部と大人の部にわかれています。子供の部は毎週木曜日、夕方から1時間から1時間半の 間、練習しています。子供の参加者は約15人、5歳から13歳まで幅広い年齢の子たちが参加しています。ティモールの人のほか、外国人の子弟も参加しています。とても熱心に練習をしており、昨年11月に、ティモー ルでは初めての認定試験を行い、多くの子どもたちが白帯から黄色帯へと昇級しました。 大人の部は火曜と木曜の週2回の練習です。ティモール人だけでなく、ノルウェー人、韓国人やニュージーラ ンド人、そして日本人と、多国籍な人々が参加しています(ティモールは今なお国連などの組織が支援しているため、世界中から様々な人が集まっています)。
 柔道教室では基本的な技を教えるとともに、礼儀や道場や対戦相手への敬意を常に持つことを教えてくれています。
ティモールでは、なかなか柔道着を入手するのは難しい状況でした。柔道が好きな外国人が、個人的に柔道着 を持ち込んで練習していました。特に子供たち用の柔道着の入手は難しく、柔道教室の参加者が増える上でのボ トルネックとなっていました(テコンドーの道着であれば入手ができますが、質も悪くすぐ傷んでしまうという 欠点もありました)。
今回、寄贈していただいた柔道着で新しい生徒たちが柔道教室に参加することができることになりました。
柔道着の贈呈式の様子
柔道着の贈呈は、柔道教室に参加しているJICAボランティア2名のほか、大人の部で練習している参加者の協力のもと、行われました。柔道教室の先生、子供たちや保護者の方が参加しました。贈呈式では、日本の寄贈者のみなさんを紹介し、みなさんの御厚意により柔道着の提供が行われたことを伝えました。
ジョゼ会長からは「ティモールでは柔道着を入手することは非常に難しく、このような形で道着を得ることができるのは非常にありがたいことです。今も柔道着がなくて、教室に参加できていない女の子が二人います。この子たちに届いた柔道着を使ってもらいたいと思います」と話していました。
最後に
簡単ではありますが、東ティモールと寄贈先について紹介させていただきました。私は、JICAホームページ上 の「JICAボランティアの世界日記」にて、「わたるがかたる、東ティモールっぽい話」というブログを掲載しておりますhttp://world-diary.jica.go.jp/miurawataru/activity/post.php)。今後の柔道教室の様子について、 ブログ上で発信していく予定です。お時間がある時に、ご笑覧いただければと思います。

JICAボランティアの世界日記 「わたるがかたる、東ティモールっぽい話」