コーチングセミナー2016「研修旅行(京都)」

2016年11月29日

2016年11月6日~12月5日間開催しているコーチングセミナー2016。本法人では、コーチングセミナーのうちの3週間が過ぎたところで、広島・京都研修旅行を開催しています。今回、京都の研修に参加しました。



11月25日の夕方、京都駅に到着した研修生と合流。皆さんは、当日早朝の5時前に東海大学の宿泊所を出発し、羽田から広島に移動。広島研修(原爆ドーム・宮島)を終えて京都に移動しています。強硬スケジュールですが、疲れた様子もなく、にこやかな雰囲気でした。

初めて皆さんにお会いし、驚いたのは光本先生からの研修生の紹介の途中でした。「彼に見覚えはない?」光本先生が、パレスチナから来たオデイ君を指さしてほら?というような顔をしました。彼の顔に見覚えはあります。ですが、前にあった時には、自分よりも小さかったような…? 5年前のサニックス旗に来ていたオデイ君!初めて国際大会に参加したと言っていたパレスチナチーム。その先鋒を務めていたのが彼です。その彼がコーチとして来日したのです。彼に大きくなったねと話すと、「183cmになりました」と笑っていました。そして、その横にいたイスラエルのニムロッドさん。彼は山下理事長や春日俊先生、光本先生のイスラエルでの指導を受けているそうです。
先生方から様々なことを学んだ選手が、指導者となり日本で研修を行う。本法人の活動が拡がって行っているのを感じました。

 

【サニックス旗に参加した当時のオデイ君(一番右)・今回のオデイ君(中央)】

 研修生たちは、世界各国10カ国から集まっています。言葉も違えば、宗教も文化も、食べられるもの異なります。英語で行う事務連絡を、英語とスペイン語がわかるロニーさん(コスタリカ)がリチャードさん(サエルサルバドル)に伝える。英語とアラビア語がわかるヨセフさん(クウェート)がオデイ君(パレスチナ)とラジジさん(アルジェリア)に伝える。ヨセフさんは、「同じアラビア語なのだけど、各国の言葉と混ざっている言葉がたくさんあって、言葉によっては完全に違う時があるね」と言っていました。食事も、牛肉が食べられない方、豚肉が食べられない方、肉と乳製品を一緒にとってはいけない方、採食主義の方など色々でした。
そんな皆さんですが、お互いがフォローし合っているのが伝わりました。柔道を行っていなかったら、仲間になること、集まることさえなかった方々ではないでしょうか?

皆でジンジンさん(中国)の誕生日を祝いしました。各国の言葉で「お誕生日おめでとう!素敵な一年になりますように!」とメッセージが送られました。

 

 26日は、朝から清水寺に向かいました。紅葉で赤く染まった清水寺を歩きながら、皆さんにお話しを聞きました。ヨセフさんは、今回の研修で学んだことを、はやく自分の国の子どもたちに伝えたいと語りました。どのような場所で教えているのか聞くと、クェートの首都にある彼の道場の写真をスマホで見せて下さいました。試合場が2面あり、縦長の大きさの窓がある綺麗な道場。子どもたち楽しそうに練習している小さな道場の写真。試合用の道場と練習用道場だそうです。子どもたちは2-3歳からいるそうで、ナショナルチームも彼の道場で練習をしているそうです。

 清水の舞台から見える赤い紅葉を、ラジジさん(アルジェリア)とジンジンさん(中国)が一緒に見ていました。自然を美しいと感じる心は同じですね。

 「日本の統治下にあったから今でも日本語が多くのところで使われているの」とパラオからのジェニファーさん。例えば、どんな言葉?と聞くと少し考えて「シャコ」と一言。何のことなのか聞くと、「車を止める場所のこと」。車庫のことだとわかった後に、なぜその言葉を選んだのかと笑いました。何度も日本に来ている彼女ですが、今までの旅行と違い、今回のコーチングセミナーは素晴らしい素敵な経験と話していました。そして、翌日に計画されている少年柔道大会の審判について、「緊張するわ!でも、貴重な経験!頑張るわ!」と意気込んでいました。


 

 伏見稲荷を見学した後に、武徳殿に向かいました。明治時代に建設された旧武徳殿の中で光本事務局長より高専柔道の説明を受けた研修生。第二次世界大戦後、高専柔道を辞めざるを得なかった歴史など興味深そうに聞いていました。

 

武徳殿に併設された弓道場で、佐々木治先生のご配慮で弓道を見学させていただきました。凛とした空気の中で、弓の音だけが響きました。

 
 佐々木先生の「皆さんの国で弓道のようなものはありますか?」との問いかけに、皆さん「あります!」と答えていました。中でも中東では、弓道の弓は小さく進化していったそうで、日本の弓道のように大きな弓はないそうです。

 
 コスタリカのロニーさんは、コーチングセミナーの最年長。いつも笑顔で皆さんに問題がないかと見守っている雰囲気がありました。聞くと、コスタリカの小学校の校長先生をされているそうです。「コーチングセミナーで柔道だけでなく、たくさんの日本の教育現場を見せていただいた。とても勉強になった。セミナーに参加させていただき、このような経験をさせていただき感謝している」と話ました。
 エルサルバドルからのリチャードさんは、現地の恵まれない子供たちを支援しているそうです。教育の一環として子どもたちに柔道を教えられています。「来日して日本の良いところをたくさん見た。嘉納先生の考えた教育的柔道はもちろん、日本の教育は素晴らしいと思う。私たちの国は、まだまだ貧しい。いつか日本のように、経済だけでなく文化や精神も発展できるように、日本で学んだことを子どもたちに伝えたい。セミナーに参加させていただいた貴重な経験を次世代に伝えます。本当にありがとうございます」と、何度も胸に手を当ててお礼を伝えて下さいました。

 
 金閣寺、源光庵を見学し、皆さん夜に京都を経ちました。前日早朝からの同行、混雑した京都の中、研修生が無事に見学できるようにコーディネートされた光本事務局長、小澤さん。ずっと笑顔で過ごされていましたが、準備から当日まで大変だったと思います。研修生すべてに気を配り、何かあれば声をかけられていた光本先生。研修生の皆さんが、「日本の恩師」と呼ぶのがわかりました。10カ国の方と一緒に京都をまわるという体験をさせていただきありがとうございました。
 コーチングセミナーは残り1週間となりました。皆さんケガなく、たくさんの楽しい思い出を持って帰国できますように応援しています。柔道を通じ、日本で感じ学んだ彼らが活躍する姿を早く見たいと思います。
 帰国後に、研修生から何か報告が入りましたら、会員の皆様にもお知らせ出来るようにしたいと思います。

柔道教育ソリダリティー広報担当 宮本円