原口直也氏をグアムへ派遣しました!

2016年05月12日

2016年3月5日に開催された第一回Kenji Mitsumoto Cupに合わせ、2016年3月4日~16日の期間、光本健次国際担当師範、原口直也氏をグアムへ派遣しました。

原口氏から報告が届きましたので紹介させていただきます。

【グアム・マーシャルアーツセンターで指導を行う原口氏】

* * * * * *

1st Kenji Mitsumoto Cupと柔道指導 (3/4-3/16,2016)
原口直也

 今回グアムにて「第一回 Kenji Mitsumoto Cup」が開催されました(3月5日)。この大会では子どもと大人合わせて約60人が参加。この大会は、光本健次先生と親交の深いグアム・オリンピック協会のリック先生を始めとする協会関係者並びに柔道協会関係者の協力で実現しました。光本先生よりグアム同行の話をいただいたときは大変うれしかったです。何故ならば、リック先生の息子のRJ(リック・ジュニア)とは私が小学生の時に一度会っているからです。RJが高校生の頃、東海大学第二高等学校(熊本)に柔道留学していました。その時、私の父は監督をしていたためRJも指導を受けていたのです。その当時、私は小学生、父が持って帰ってきたRJの体操ズボンの片足に兄弟4人で入った覚えがありました。直接的な思い出ではありませんが世の中にはどんな大男がいるのだろうと印象に残る衝撃的な思い出でした。

【Kenji Mistumoto Cupのポスター】

 大会の参加者の中にはグアムの選手だけではなくパラオチームの参加もあり彼らの活躍も見られました。マネージメントはすべてグアム柔道協会の方々が行い、大きなけが人も出ず相手を敬う気持ち・謙虚な気持ちが十分に見られる素晴らしい大会となっていました。試合場は二面、一試合場に審判一人の一審制で行われており年齢別の対戦グループで試合が行われていました。大戦中の両社が場外へ大きく出る場面も見られましたが観客席のスペースが十分に有ったため観客との接触もありませんでした。各対戦グループの試合終了後、NPO法人柔道教育ソリダリティーにて支給されたメダルを入賞者に授与されていました。入賞者は欣喜雀躍で喜んでいました。全試合終了後、日本・グアム・パラオの国旗の前でNPO法人柔道教育ソリダリティーの旗を広げ写真を撮影しました。また一つ、柔道を通して国際交流が始まりました。グアム柔道協会の方々は「来年も再来年も続けていくつもりだ」とおっしゃっていました。光本先生との会話で来年からは日本の学生や柔道クラブを参加させることが出来ればもっと面白くなるだろうと話していました。学生が参加することにより学生自身も試合のマネージメントやもっと深い国際交流が出来ますし、審判など試合に関われることによりグアム柔道にとってもいい刺激になるのではと思います。


 今回のグアム視察では、試合の視察だけではなく柔道指導も行いました。光本先生は試合の三日前よりグアム入りし指導されていました。私がグアム入りしたのは試合の二日前で練習の参加は試合の前日でした。試合の前日、私が練習に参加させていただいたときには既に光本先生はみんなの心をつかんでいました。二日間の練習だけで生徒の心を掴むのは至難の業です。どのような練習をしたのかとても気になっていましたが、この日は見ることが出来ませんでした。指導初日、光本先生より指揮を任せていただいたのでウォーミングアップから私が指揮を執りました。次の日が試合なためハードな練習は入れず行っていましたが初日ということと久しぶりの指導ということもあってか緊張してあたふたしてしまう部分が多くありました。その時に光本先生が的確に指摘され、アイデアを下さったお蔭でなんとか初日の練習が終わりました。指導をしながらも学ぶことが多くありました。
 試合の次の日(3月6日)柔道講習会を行いました。光本先生と話し合い柔道協会から与えられた講習時間(3時間)をまず二つのセッション(第一回;9:00-10:30、第二回;10:45-12:15)に分け、参加者一斉に行う予定でしたが子どもと大人にグループ分け、更に練習メニューが重なることを避け立技か寝技を分けて行いました。私は第一回に子ども(立技)を担当させていただきました。このセッションでは子どもに怪我をさせないことを第一に考えながらと子どもにとって何が楽しいのかを考えながらメニューを組み指導を行いました。今回の練習ではウォーミングアップで受け身を中心に行い受け身の大切さを伝え、ラダーとケンステップを使用し立技につながる指導を行いました。子供たちが興味を示したのは初めて見るケンステップでした。私自身も使用するのは初めてで成功するか不安でしたが興味を示してくれたおかげで自信をもって指導でき皆で楽しんで第一セッションを終了することが出来ました。第二セッションは大人のクラス(立技)。大人のクラスは既に光本先生による指導によりいい汗をかきすっきりした顔をしていたためスムーズにテクニック指導に移ることが出来ました。大人のクラスでは技を見せながら技を掛けるタイミングや位置・ポイントなどを指導しました。

  3月8日、この日は夕方の練習でした。この日も人数が多かったのですが時間が限られていたためウォーミングアップだけ合同で行い、その後二つにグループ分けすることにしました。ウォーミングアップでは審判のジェスチャーを入れながら行いました。こうすることによりジェスチャーの意味ややり方を再認識・再確認することが出来ます。他にも光本先生により補強運動(引き込み返しなどを中心に)を入れました。ウォーミングアップが終わり、私は大人のクラスを担当・指導し、光本先生は子供を担当・指導しました。私の指導では、ウォーミングアップの延長線上で引き込み返しの指導をしました。皆引き込み返しを知っていたものの理にかなっていなかったので入るタイミングやポジションなどポイントを指導しました。この後に、引き込み返しからの抑え込み・引き込み返せなかった時の対処法を指導しました。皆さんがとても熱心に聞いてくださっていたので私自身の指導にも熱が入りました。
  

 3月9日、この日は光本先生と私の帰国の前日で最後の指導でした。この日は光本先生が全て指揮を執り私は補助を行いました。この一週間、光本先生より少しずつ指摘をいただき学ぶことが多くありました。しかし、この日はこの一週間が比にならないほど学ぶことが多くありました。二時間の練習で熱心で真剣に取り組む場面と笑いが起こる場面のメリハリがついている練習は見たことがありませんでした。光本先生の指揮に無駄がなく指導法に魅力があることを改めて知った日でした。この日、初日に疑問に思っていたことが晴れたような気がしました。練習後の夕食時、当初光本先生と一緒に3月10日帰国予定でしたが、有難いことにグアム柔道協会の方々から私をもう1週間だけグアムに残し指導をお願いしたいと光本先生を通して私に申し出がありました。私はその場で即答し急遽チケットを変更していただき光本先生が帰国後1週間の指導を行うことになりました。光本先生よりこの話を耳にした時はとても嬉しかったです。光本先生が帰国されるとき重要なことを耳にしました。それは東海大学の創設者・松前重義先生が戦友に送ったとされる慰霊碑がグアムにあるということ。私はRJとグアム・オリンピック協会のゲン・イマイさんに頼み連れて行っていただきました。

 

この慰霊碑はグアムにある南太平洋戦没者慰霊公苑にあり、松前先生が戦友に送ったとされる言葉が刻まれています。当時1944年、松前先生は東条内閣の「軍需生産計画」を批判したため二等兵として戦線へ送り込まれました。しかし、戦友でもあり同意見だった塚本清彦(当時・塚陸軍省戦備課長)に援助により生き残ることが出来たと聞いています。この慰霊碑は、松前先生が塚本清彦課長に送ったとされます(*写真左;リックJr.・右;ゲン・イマイさん)。この慰霊碑は大変きれいにされていたので理由を聞くと、RJは月に1回以上、ゲンさんは週に1回以上掃除に来ているそうで大変嬉しく思いました。私も来られたことは何かの縁と微力ながら掃除をしてきました。

 


 今回のこのグアムでの2週間は、私にとって思い出に残る国際交流となりました。日本とグアム、そして東海大学とグアムの深い関わりを知ることが出来ました。数十年前、アメリカと日本はこのグアムで戦争し膨大な戦死者と被害者を出しました。しかし、それから数十年後の今ではグアムに来るに観光客で日本人が一番多いそうです。そして今回、松前先生が九死に一生を得た地にて先生が愛した柔道を指導出来たことと柔道を通して友情と平和を胸に国際交流が出来たことを幸せに思います。改めて海外との交流の重要性、そして楽しさを再確認・振り返ることが出来ました。グアムで出会った方々やお世話をしていただいた方々には大変感謝いたします。ありがとうございました。