UAEへ矢澤賢人君を派遣しました!

2015年01月27日

2014年10月28日~11月8日の期間、アラブ首長国連邦(UAE)に光本健次国際担当師範、練馬区立貫井中学校の髙橋健司教諭と共に、学生ボランティアとして矢澤賢人君を派遣しました。
矢澤君のからの報告です。

 

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U.A.E 指導報告書
東海大学文学部歴史学科1年 矢澤 賢人 
2014年10月28日(火 )~11月8日(土)

今回私がU.A.Eに行くことになった経緯は、8月1ヶ月の間U.A.Eのジュニアチームの受け入れのお手伝いをしていたからです。私は一緒に高校に練習に行ったり原宿や秋葉原、富士急ハイランドやディズニーランドに同行しました。そのときに光本先生にジュニアチームといい関係を築けていたと判断していただきコーチングセミナーアシスタントに抜擢していただいたので、U.A.Eに行くことになりました。
私自身初めての海外で出国までの間は、初めての異国の地で10日間やっていけるのだろうかと不安でいっぱいでした。まず、外国とはどんな場所なのだろうかと漠然とした不安や英語に自信が無かったので全く言葉が通じないのではないか、ジュニアチームを通してしかU.A.Eという国を知らなかったのでほかの人はどんな人達なのだろうと不安でした。というのも、U.A.Eという国は国の人口の3割程度しかU.A.E国籍の人間がいない国だからです。これほど多国籍な国も珍しいと思います。

 
アブダビでは柔道よりも柔術が盛んで、柔術の連盟は単独であるのに対して柔道の連盟はレスリングとキックボクシングとの合同連盟でしかないのが現状です。今回のコーチングセミナーの前に行われたグランドスラムアブダビの試合会場もFGBアリーナといってもとは柔術の試合会場を柔道側が、借りて会場にしている様子です。テレビでも柔道の試合は、3位決定戦と決勝戦しか放送されないのに対して柔術の試合は小学校低学年ほどの年齢の子どもの試合まで放送されていました。これほどに柔道と柔術の人気に差がある状態なのです。視察を行ったグランドスラムアブダビの試合も、予選ステージでは観客席に観客はほとんどおらず自国の選手を応援しにきている試合のない選手とコーチぐらいしかいませんでした。ファイナルステージになってからは、観客が増えてきたと思いきや大会運営側が呼んだサクラらしくチケットも会場内で配られていて、そのチケットに書かれている番号で最後に毎回抽選会が行われていてそうまでしないと人を呼ぶことが出来ないほど柔道は人気がなく、普及発展しておらず日本では考えられないことだと思いました。試合にU.A.E代表で出ていた選手達もU.A.E国籍ではなくモルドバなので、U.A.Eにおける柔道の普及発展は必要なことだと思いました。     

 
 私たちが滞在していたホテルは、グランドスラムアブダビに出場する選手も宿泊しているホテルで、選手達の試合前の雰囲気も感じる事が出来てとてもいい勉強になりました。選手達は、試合の前日などにホテルにあるプールで泳いだりプールサイドで談笑したり、本を読んだりしてとてもリラックスした雰囲気で過ごしていました。ホテルにあるフィットネスルームで、汗を流していると出場選手のコーチ達がトレーニングをしていました。外国のコーチ達は、現役を退いてからも身体を鍛えている姿を多く見受けることができました。私が、トレーニングをしているところをみた女性のコーチが教えているスロベニアの女子選手が、63㎏級で優勝していました。現役を退いてからもトレーニングを欠かさないようなコーチはいい選手を育てるのだと感じて私も、もし指導者になったら自らを鍛え続けていけるコーチになりたいと思いました。 

  
 今回のもう一つの目的である、コーチングセミナーは11月3日から4日間に渡って行われました。自己紹介のあいさつの時からとても緊張しましたが、コーチの方たちはとても笑顔で迎えてくれました。このセミナーに参加していたコーチの方々はエジプト、ベラルーシ、サウジアラビアなどのU.A.E以外の様々な国籍の人々がいて、ここでも多国籍なU.A.Eの特色が出ているのかなと思いました。セミナーの内容については光本先生が柔道の歴史をお話になり、高橋先生の安全指導、はかに礼法、受身、護身術、体さばき、寝技の技紹介、ゲーム形式のトレーニング法、打込、乱取の仕方などの初心者向けの練習方法のコーチングを2日間にわたって行いました。実技の見本は失敗の連続で恥ずかしい思いをしましたが、光本先生や高橋先生にフォローをしていただき、コーチの方々も優しく笑ってくれて何とかこなしていくことが出来きました。コーチの方々は、受身の方向が書いてある柔道着や前方回転受身の手や足をつく位置を書いてあるシートにとても興味をもたれていました。2日目のセミナーの後にコーチの方々に誘われて練習に参加しました。そこで直接組み合うことで、また交流を深める事が出来たと思います。ここでも形について教えてほしいと言われたのでやはり昇段審査はとても気になることなのだと思いました。3日目はコーチの方々が講道館の段位を貰うために必要な形の練習と講道館昇段審査を行いました。形に関しては、上手な人とあまり上手じゃない人との差はあまりありませんでした。初段を受験する人は足技まで、弐段を受験する人は真捨身技、横捨身技までしっかり学んでいました。午後は昇段審査を行いました。昇段審査の内容は、私が高校生時代に昇段審査で行ったような投げの形と受身各種、それに加えて先生の指定した技を披露する、といったものです。コーチの方々はみなさんとても上手にできていて、自分が教えたということもあり少しうれしかったです。また試験が終わった時に、試験の結果発表を待ちきれずに私に合否を聞いてくる方もいたので、やはり気になってしまうものなのだなと、昔の自分を少し思い出してしまいました。4日目は高橋先生がコーチの方々に審判法について指導しました。私はまた手本となったのですが、審判法については少しあいまいなところがあったので私も一緒に学ぶような気持ちで取り組みました。立ち技から寝技への移行のタイミングやどの時点で足を持ってもいいのか、さらに立ち技でいえば、どのように切ってしまったら指導をもらってしまうのかといったことまで再確認できたので、とてもいい経験になりました。この日の閉会式の最後に光本先生からコーチの方々ひとりひとりにねぎらいの言葉とともに賞状を渡し、全員で写真を撮りました。そのあとにコーチの方々がサプライズでプレゼントをくれました。最初は不安で胸がいっぱいで、指導が始まってからも失敗も多々ありましたが、この瞬間にコーチの方々に認めてもらえた気がしてうれしかったのですが、それと同時にこれで終わってしまうのだと気づき、少し寂しい気持ちになりました。
最後になりましたがこのような貴重な機会を与えてくださった柔道教育ソリダリティーの山下泰裕先生をはじめ、光本健次先生、光本恵子様、小澤浩子様、今セミナーにご協力してくださいました米田先生、アネマン先生、その他多数の関係者の皆様に厚く御礼いたします。ありがとうございました。私自身、益々鍛錬していきたいと思います。