アメリカ・カリフォルニア州、サンノゼ大学へ指導者を派遣しました!

2014年09月17日

2014年8月10日~16日の期間、世界柔道選手権2011パリ大会57kg級金メダリストの佐藤愛子さんを

アメリカ・カリフォルニア州、サンノゼ大学へ派遣しました。

佐藤さんからの報告です。

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アメリカサンノゼ柔道指導活動報告
了徳寺学園 佐藤愛子

【サンノゼ大学柔道部の皆さんと】


2014年8月10日~16日の期間、NPO法人柔道教育ソリダリティーの仙石通泰理事よりご推薦を頂き、柔道ソリダリティーの派遣のもと、アメリカ合衆国カルフォルニア州のサンノゼへ柔道指導に行ってまいりました。
今回の派遣先であるサンノゼは、2012年から、語学留学と柔道指導を兼ねて約1年間お世話になった場所でした。現役時代から海外留学に憧れを抱いていた私は、長年続けた柔道現役生活を引退した後、留学先としてサンノゼを選び、約1年間渡米しました。英語に苦労する中、サンノゼ大学柔道部の道場に毎日通い、選手と共に汗を流しながら技術指導を行うことで、少しずつ語学力を身につけていきました。私が彼らに技術を教える代わりに、彼らは私に英語を教えてくれました。特に練習パートナーを努めた、サンノゼ大学柔道部の卒業生である、女子57㎏級マーティ・マロイ選手と大変仲良くなりました。彼女は、大学卒業後も母校であるサンノゼ大学の柔道場で練習しており、2012年ロンドン五輪銅メダリスト、2013年リオデジャネイロ世界選手権銅メダリスト、その他、数多くの大会で活躍する世界的な選手です。私も彼女と同階級でしたので、私達は互いに切磋琢磨しあった良きライバルでした。国際合宿での練習や試合での対戦経験もありました。ライバルと言えど、彼女は人間的にもとても素晴らしく、何よりも日本の文化を愛す親日家でした。当時英語が全く話せない私に、いつも笑顔で気軽に話し掛け、コミュニケーションを取ろうとしてくれました。留学中、彼女をはじめ、たくさんのサンノゼ柔道仲間に助けてもらい、有意義な留学期間を過ごすことが出来ました。今回の活動目的は、親友のマーティが、ロシアチェラビンスク世界柔道選手権大会に出場するということで、大会に向けた最後の追込み鍛錬期に練習パートナーとして、サンノゼで指導を行うというものでした。彼女から指導依頼を受け、サンノゼへの再渡米が決まった時は心が躍りました。

 【マーティ・マロイ選手と】
久し振りに訪れたサンノゼは、以前と変わらない、雲一つない青空と、慣れ親しんだサンノゼ柔道ファミリーが私を迎えてくれました。指導は、サンノゼ到着翌日から帰国日までの約1週間行いました。毎日長時間にわたって稽古行う日本式とは異なり、乱取稽古は1日おき、残りの日は打ち込みや投げ込み、ウエイトトレーニングをおこなうというスケジュールでした。1回の練習時間は短いものの、とても内容の濃いものでした。マーティは合宿続きのため、多少疲れが見えたものの、確実に以前に比べ、心身共にパワーアップしていることに私は驚きました。彼女は人に言われて練習する選手ではなく、周りからのアドバイスをもとに自分自身で考え工夫し、熱心に練習に取り組む姿勢が素晴らしい選手です。彼女に調子を尋ねたところ、最近少しずつ自分の技の形やタイミングに微妙なズレを感じると話していました。アメリカでは日本と違い、打ち込みや投げ込みの際、取りの技を上手く受けることが出来る選手が少ないのが現状です。相手の技を繰り返し上手く受けてあげることで、正しい技のフォームが少しずつ身につき、上達につながると一般的に言われています。私は彼女の言う“僅かなズレ”を修正し、彼女自身の柔道に自信を取り戻せるよう心がけながら技を受け、指導を行いました。“この技はどう?どこが悪い?もっとどうすれば上手く投げることができる?”など、私にたくさんの質問を投げかけてきました。私は身体で感じることを彼女に素直に伝え、技の修正を一緒にしていきました。1週間という短い期間でしたが、私が練習パートナーとしてサンノゼへ戻ってきたことに、彼女はとても喜んでくれました。世界選手権の結果は、残念ながら3回戦で準優勝した選手に惜しくも敗れたものの、2回戦で2012年ロンドン五輪金メダリストの松本薫選手に開始早々、腕拉十字固で一本勝ちをおさめるといる大金星をあげました。松本選手もまた、私の現役時代のライバルであり、よき友人でした。マーティと松本、世界選手権にかける二人の思いを知っていた私は、どちらを応援することも出来ず、互いにベストを尽くしてほしいと思うばかりでした。マーティの最終目標は、2年後の2016年ブラジルリオデジャネイロ五輪での金メダルです。人一倍努力家の彼女なら、目標を実現できるのではないかと思います。日本から彼女のことをずっと応援したいと思います。

また、サンノゼ滞在中は近くの町道場の、ブーデスト柔道クラブに足を運び、小中学生を対象に技術指導を行いました。サンノゼは、全米を通して最も柔道の盛んな地域であり、幼稚園児から大人まで約100人が週3日汗を流しています。私の得意技を披露する際、流暢な英語での説明はできませんでしたが、皆一生懸命に取り組んでくれました。指導の際特に、釣り手や引き手の握る位置や、技を仕掛ける際の目線の位置など、基本的なポイントに重きを置き、指導を行いました。また、ミニゲームを取り入れながら、柔道は楽しいものであるということを実感してもらいました。

約1週間という短い派遣期間でしたが、充実した毎日を送ることが出来ました。今回の私の活動が、微力ながらサンノゼのみならず、アメリカ柔道界の発展に繋がれば幸いに思います。今後も、日本発祥の国技である柔道の素晴らしさを国内だけではなく、世界に伝えていけるよう、技術指導および選手の育成に力を入れてまいりたいと思います。最後になりましたが、今回のサンノゼ柔道指導派遣にあたり、ご支援ならびにご協力いただいた、柔道教育ソリダリティー理事の仙石先生、理事長の山下泰裕先生、サンノゼ柔道関係者の皆様、その他、多数の関係者の方々には心から御礼申し上げます。今回の経験を生かし、私自身より一層精進してまいりたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。