アメリカの海軍士官学校へ大川康隆氏を派遣しました。

2012年02月08日

2011年9月6日~9月22日、

アメリカ、メリーランド州にある海軍士官学校(アナポリス)に、

大川康隆氏を派遣しました。

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東海大学
総合経営学部マネジメント学科
大川康隆

 

 2011 年9 月6 日~2011 年9 月22 日の17 日にわたって、ワシントンDC 近郊のアナポリスにある海軍士官学校を中心に柔道指導を行った。海軍士官学校での柔道クラブのステータスは長らく同好会レベルであったが、昨年の井上康生先生の訪問がきっかけとなり、それまで同好会であったクラブが正式な部となった。このように正規のクラブとなることで、これまで以上に活発な活動が期待できる。具体的には、予算の増額、施設の充実、試合での授業の欠席が認められる等、様々な面で優遇されるため、新規部員の獲得や試合への参加が増えることが考えられる。アメリカの将来の国防を担う若者が熱心に柔道を稽古することができる環境が整ったことは大きな一歩であろう。
 月~金の週5 回の稽古は、練習をすることに焦点をあてた。つまり、よくありがちな、技を見せる、その技を練習させるといった柔道クリニック方式の指導は少なめにし、指導期間後も学生自身が自分たちのみで継続して練習が続けられるように、どのように練習したらよいかを中心に指導を行った。その為に、打込をはじめとした反復練習の方法を紹介し、技を磨く為に時間を使った。学生たちも今までとは少し変わった練習方法に戸惑いながらも、息を弾ませながら熱心に練習に取り組んでいた。
 また、週末にはノースカロライナ州で試合があり、その試合に向けての指導をしてもらいたいという要請があり、立技での攻撃と防御、立技から寝技への連携を中心に指導を行った。指導の結果であれば非常に嬉しいのだが、出場者が全員入賞しメダルを獲得した。1週間練習を積んだ絞技で勝った選手、集中的に内股を練習し、試合では自分より大きな相手を跳ね飛ばしていた選手、背負投を練習したものの惜しくも返されてしまった選手など、様々な学生がいたが、どのように練習し、どのように試合をすればよいか、これからは何を練習しなければならないか等、今後のことがそれぞれ明確になったのではないだろうか。
 海軍士官学校での指導では、些末な技術の指導に終始するのではなく、アメリカの将来を担う若者たちに、柔道を通じてその精神を理解してもらえるように努めた。さすが士官学校の学生であり、高いモラルや自己コントロールといったことがしっかりと身に付いており、柔道を行う目的が柔道技術の上達だけではないことをよく理解してもらえた。アメリカでの柔道というのは、国の規模から考えても競技スポーツとして十分に広がっているとは言い難い。しかし、地域レベルでの活動や、海軍士官学校のような場所で柔道が
正規の活動として認められるようになった点からも、柔道に対する需要というのは非常に高い。しかし、指導者の供給が十分であるとは言えない。しっかりとした指導のできる指導者が必要とされている。
 最後に、今回のアメリカでの柔道指導が存分にできたことは、古森義久様、古森スーザン様、ワシントン柔道のクラブのタッド・ノルズ氏のサポートが大きかった。海軍士官学校柔道部部長のドナホー少佐、コーチのエドウィン・タケモリ氏には現地で指導しやすいようにと大変なご配慮を頂いた。また、自衛隊より出向されている筒井氏、現地日本大使館の安藤氏、大使館付きの自衛官の河口氏にも柔道指導にあたってご尽力いただいた。今回の柔道指導に際し、多くの方々にサポート頂いたことに感謝いたします。